アダムの肋骨

本日のリーチ。

友達の出ている芝居を観に、王子小劇場まで行ってきた。
『アダムの肋骨』
アダムの肋骨からイブは生まれた。
肋骨は12対24本ある。
12人の一人はユダだ。
ユダは記録係とアダムを残して、他の全てを殺す。

今まで、好きなものは大体隣人が作ったもので、
同じ部屋に住んでいる人の作品にはあまり出会ったことがなかったのだけれど
今回の芝居は同じ部屋に住んでいる人の作品という感じがして
本当に感動したし、自分が作った作品を見ているような感覚だった。

彼の言葉を借りれば、まず外側があってコンテンツがある、ということなのだけど、
それももちろん同意するのだけど、
私からすれば外側こそがコンテンツで、
作りたい状況と話の流れがあれば、それがメッセージに他ならないし、
起承転結があるだけが物語ではない。

鏡地獄の底に住む我々は、今日も自分自身を抱きしめたいが故に、他人を欲し、他人を愛する。

彼らのおかげで、彼のおかげで、私はもう一度自分の作品を愛したいと思ったし、愛そうと思った。
今このタイミングでそう感じられたのは何よりの幸福。

リアリズムの紡ぎ合わせでつくるファンタジーという手法もまた、
今敏しかり私が好きな方法で、
本当にあなたは私で私はあなた。
でもあなたは私じゃなくて私はあなたじゃない。
そこを共有できた。

本当にいい芝居を見ることができた。
芝居は現実だ。本当に起きたこと。
彼らは劇場で何回も死んでいる。死ぬべきだ。

私は何してるんだろうなぁ。
ひとりで生きていく、頼ることなく生きていく、
そんなのを目標にしすぎるあまり、本質を失っている気がする。
そろそろ還らないと。

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